楽器の練習は、大きく分けて、2種類あります。
それは、曲を音楽的に仕上げる練習と、根本的に楽器が上達するための練習です。
後者の練習は、かなり地道な感じになっていくわけですが・・・
「ギターが弾ける」とはどういう状態かを考え、私の場合は「ギターを自分の身体の一部のように扱うこと」という言葉で定義した上で、練習メニューを考えています。
これは、もはや人生の目標みたいな気がしますが、そうなった自分を想像すると楽しみでもあります。
では、そうなるために日々どんな練習をするといいのか、「ギターが弾ける」ようになることを目標として先人の知恵を借りながら練習メニューを考えていきたいと思います。
ブランクから学んだこと
「ギターが弾けるとはどういうことか考えてみる 」という記事にも書いたのですが、私は働きはじめて2〜3年ほど、それまで10年近く続けてきたギターを触れない時期がありました。
このブランクによって、これまでたくさん練習してそらで弾けていた曲も悲しいくらい弾けなくなっていました。出だしは弾けるしメロディを口ずさむことはできるけど、途中でわからなくなる。それから徐々に理想の状態と練習のしかたにズレがあることを感じはじめました。
料理で例えると、レシピを見ながら何度もその通りに料理を作った結果、材料や調味料の量も覚えてレシピを再現できる状態がブランク前でした。
毎日作っていたら覚えているのでサクッと作れるけれど、しばらく作らなかったら出来上がりはわかるけれど何も見ないで再現できなくなったのがブランクの時の状態。
一方で私が理想とするのは、レシピ通りではないけれど、そこにある食材で代替しながら自分なりの味付けにできる状態です。
話を練習に戻すと、それまでしてきた練習の大部分は譜面に書いてある音を再現するために反復して体に染み込ませる運動の練習でした。
自分の理想である「ギターが弾ける」状態になるためにはそれだけでは足りないと思い、具体的にどんな練習をしたらいいのかを考えるようになりました。
練習メニューを考える
ヒントになった考え方
野球選手の大谷翔平さんが使っていた目標達成シートをご存知でしょうか?
詳しいことはリンクの記事を参考にしていただきたいのですが、ひとつの目標を達成するための小さな要素に分解して、より具体的な項目に落とし込んでいくものです。
ギターの練習においても同じように分解できそうだと思い、去年くらいに試しています。
具体的な項目まで落とし込んでいる分意識しやすいので、今自分が何をやれてて何ができていないかがわかりやすくなります。
学生時代は闇雲に練習していましたが、働きはじめると練習は時間との勝負なので、できるだけバランスよく、効果的な練習をしていきたいものです。
目的別に練習を分解する
目標達成シートの考え方をギターの練習にあてはめるとどのような感じになるか、私が書き出したものの一部を列挙してみした。
- 指の分離
- 奏法、テクニック
- 音色のコントロール
- ピッキング
- 指板の把握
- フレーズの分析、理解
- 曲の構成、コード進行を覚える
- 弾く内容を体になじませる
- ライブを見に行く
- 音楽を聴く
- ライブやセッションに参加
- 機材の使い方を覚える
このように目的に応じて練習を分解していくと、過去の自分は「レパートリー」部分ばかり練習していたのがよくわかります。
これらの練習をバランスよく行っていけるメニューを考えていくのが上達への近道なのかなあと思っています。
こちらは私が書いた目標達成シート2018年版です。前の記事「練習日記をつけていて良かったこと」でもご紹介したほぼ日手帳を使ってます。
練習メニューのバランス
目的別に組み立てた練習メニューをどのような頻度でどのくらいの時間をかけて取り組むかというのは大事なところでもあり、難しいところでもあります。
人前で演奏する機会を作るとそれに向けて決まった曲の完成度を上げていく練習が大部分を占め、本番に近づくにつれて分量が多くなっていきます。
一方で根本的にギターが弾けるようになるにはテクニック練習や楽器の理解、理論の要素が大きいです。これらが練習メニューから抜けていると、曲を忘れた時の私が出来上がります…
直近は曲の完成度を上げる練習が中心になりがちだったのでバランス配分に悩んでいました。本番が終わった直後「次は何を練習すればいいんだっけ?」にならないように、毎日の練習に少しずつ長期の課題を入れるようなメニューを組めるように考え中です。
まだまだ日々の練習メニューは試行錯誤している真っ最中ですが、練習を分解してひとつ良かったと思えることは、全体が見えるようになってバランスが悪いことに気づくことができたということです。あと一歩、みたいな感覚はあるのでいろいろ試していきたいと思います。
最後に
この記事を書いている時にちょうどギタリストの佐々木秀尚さんが、こんなツイートをされていました。このコンパクト版を毎日の練習メニューに取り込んでいくといいのかもしれません。最後の「楽しく弾く練習」も大事だなあと思ってとても参考になりました。
まだまだ試している最中のことも多いですが、私の練習メニューの考え方についてご紹介しました。練習メニューを組み立てるヒントになれば幸いです。