練習アイディア

フィジカル練習は2週間でいい感じになる説

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フィジカル練習は、だいたい2週間くらいでいい感じになる。

誰が言ったわけでもないけれど・・・最近、そんなふうに思ってます。

苦手な動きをスムーズにするために、よく同じ動作を繰り返す、地味〜な練習をするのですが、

練習をはじめて10日後くらいに、

「あれ?なんか楽にできるようになった気がする」

みたいな感覚を得られることが、ちょいちょい起こります。

フィジカル練習って、まー地味ですよね。私は好きですけど・・・

レッスンで提案すると、じっくり取り組んでくるタイプと、苦笑いして流すタイプにきれいに分かれます。

はやく曲を弾きたいのに、地味すぎてちょっとやる気になれないよね・・・それもよくわかります。

でも、「地味な練習でも、2週間やったら変われるんだ」って思えたら。

なんとなく先が見える練習になるなら、取り入れやすいのかも。

ということで、今回は「フィジカル練習」について考えていきたいと思います。


フィジカル練習ってなんだ?

突然ですが、質問です。

フィジカル練習って、何でしょう?

文字通り解釈するなら、「身体的な練習」ってことですよね。

私も最近まで、楽器を演奏するための筋肉を鍛える練習・・・つまり「筋トレ」だと考えていました。

自分のレッスンを受ける生徒さんにも、イメージしやすいので、そのように伝えていました。

ですが、今の私の考えは、半分正解、半分違う、です。

というのも、フィジカル練習には、筋肉をどう使うか指令を出す側・・・つまり「脳の回路を整理する」面もあるのかなと感じるからです。

最近「ピアニストの脳を科学する: 超絶技巧のメカニズム」という本に書いてあった、ある面白い実験結果を読んで、その思いが強まりました。

ピアニストの脳を科学する 超絶技巧のメカニズム [ 古屋晋一 ]

その実験は、プロのピアニストと、専門的な音楽訓練を受けていない人とで、複雑な指の運動をしてもらい、脳がどのように働いたか比べるというもの。

この実験結果から導かれたのは「練習を積んだピアニストは、脳をたくさん働かせなくても、速くて複雑な動きができる」ということでした。

つまり、ピアニストは、脳の回路がピアノ仕様なっている。

このことから、フィジカル練習は、脳の使い方を最適化するための練習じゃないか?と思ったんです。

ギターでイメージしやすい例えでいうと・・・

「5弦3フレットってことは、開放弦がAだから順番にA#、B、C・・・Cだ!」と考えていた人が、練習を重ねて「5弦3フレット→C!」という直通回路ができる感じでしょうか。

フィジカル練習は、脳の最適化するもの。

こう考えると、「だいたい2週間でいい感じになる説」は、「脳内で情報が整理されるのに2週間ぐらいかかる」ということなのかもしれませんね。

ちょっと余談・・・

パソコンのキーボードもなんか似ている気がして。

タッチタイピングって、いろんな指を使って打つんですけど、練習がいりますよね。

最初は二本指でしか打てなかった人が、気づいたら、早く打てるようになってる。これも、練習の結果、脳が最適化された結果なんじゃないかと思ったりします。

動き自体、ピアノと似てますよね。

2週間は長いのか、短いのか?

科学的な根拠があるわけではないですが、体感覚として2週間というのが、フィジカル練習のひとつのチェックポイントかな、と思ったりします。

2週間って、半月じゃんって思うとまあまあ長いんですけど。

フィジカル練習って、個人差はあるものの、やればできるようになる、とてもわかりやすい練習だと思うんです。音楽センスを磨くってことになると、それはもー本当に、大変だと思うんですけど・・・

私個人としては、フィジカル練習で身体が動くようになったら、表現できる幅も広がりました。できないから使わなかったフレーズを採用できるようになったというのも含めて。

長いギター人生の中いったら、2週間は、ほんのちょっと。

その、ちょっとの時間を使うことで「成長してるじゃん!」って思えるのは、いいなって感じたんです。

もし、スムーズにできなくて苦手・・・という動きが出てきたら、「とりあえず2週間!」と思って、フィジカル練習をやってみませんか?