「自宅で音楽をどうやって楽しむか」のひとつの解として、私は音楽仲間とオンラインセッションで遊ぶことをはじめました。
きっかけは企画していたライブを延期し、練習していた曲が宙に浮いてしまったため、どうにかしたいという思いからでした。
それとタイミングを同じくして星野源さんの #うちで踊ろう の流れがあり、一緒にライブを企画していた仲間を巻き込んで参加したことで、さらに火がつきました。
「うちで踊ろう」は1分と短く、サクサク撮れたのですが、ライブで予定していた曲ともなると1曲が4〜5分くらいになります。
実際に撮影をしてみたら想像以上に消耗したのですが、これはこれでいい練習になりそうです。
これをきっかけに私の中で「動画撮影がいい練習になるんじゃないか説」が浮上したので、今回はこの説について書いてゆきたいと思います。
本番の疑似体験
動画の撮影がライブ本番と異なるのは、撮り直しができることです。
これまで私もいくつかSNS投稿用に動画を撮影してきましたが、どれも1〜2分のコンパクトなサイズなので、何度か撮って良いテイクを選んでいました。
ですが、5分の曲を何回も撮るのは正直きつい。
何度も撮りたくないために短い曲と比べて1回の演奏に重みが増し、実は本番と同じような集中力を使うことになります。
これまでの短い動画ではあまり撮り直したくないという気持ちがある反面、撮り直しができるという甘えもどこかにあって確信に至れませんでした。
ですが、長い曲の撮影を通して自宅で本番の疑似体験をする手段として動画撮影は有用と感じました。
↓ちなみに、その5分の曲がこちらです。
集中力が研ぎ澄まされた瞬間
冒頭でも書きましたが、長い曲の撮影はとにかく消耗するんです…
1テイク目、それなりの演奏ができて、後半に差し掛かったところで撮り直しが必要なくらいのミスをしてしまいました。
あと少しだったのに!!ここでのちょっとしたがっかり感。
この調子であまり撮り直したくないな…と思ってからの2テイク目。
途中までとても良い感じに撮れている手応えを感じて、私の中では「もうこのテイクで行きたい!」というモードになりました。
すると急に緊張感が出て、集中力が研ぎ澄まされたような感覚になりました。
言葉で表現するのは難しいですが、ライブ本番での感覚に似ていて、普段聴こえないような音まで聴こえてくる感じ。
自分でも「今すごく集中している!」と思いながら、不思議な緊張感に包まれて最後まで弾き切りました。
細かいところでもっと直したいところはあったのですが、さらに良いものも出てこないような気がしたので、ここで撮影終了。
今まで家でこんなに集中して演奏したことはあっただろうか…という感じです。
そして、ぼんやり、練習の時でもこれくらいの緊張感を持てればもっと上手くなれるんだろうなあと感じました。
家での本番シミュレーションとして使えそう
レコーディングの過程で上手くなってライブの時にはいい感じになっている、という話を聞いたことがありますが、それもうなづけますね。
本番に向けた自宅での練習として、「誰かに見てもらう」などの手段はありますが、それに加えて「動画を撮影する」というのもいい練習になりそうです。
もちろん、ただ撮影するのではなくて「本番同様の集中力を持って弾ききる」ということが大事ではありますが。
今回は、オンラインセッションの投稿を目的として動画を撮影したので、撮影後にピアノパートとの動画合成をしました。
ここで自分の細かいタイムの揺れや癖などにも気づくことができるので、オンラインセッションという形式の動画撮影も良い練習になりそうです。
「長い曲」の「動画撮影」をして「他の人と合わせる」ことで、副産物的に収穫を得ました。
この外出ができない期間は、しばらくこんな形のオンラインセッションを基本とした練習も取り入れることになりそうです。