練習アイディア

カッティングビギナー脱出のポイント

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ギターのカッティングってものすごくかっこいいですよね。あのリズミカルで気持ちよい音に憧れを持つようになり、いつか出来るようになりたいなーと思っていましたが、思っているだけで数年が経過していました…

セッションに参加するようになって人前でカッティングの曲を演奏する機会ができ、ようやく本腰を入れて練習を始めたのですが…試しに課題曲(BPM120)を弾いてみたらテンポ通りに全然弾けない。右手が間に合わないんです。

カッティングはこれまで練習してきたストロークの延長ではなく、カッティングという技術なのだと悟りました。腰を据えて練習しないと本番までに到底間に合わないということがわかり、焦ってカッティングの特訓を始めました。

それからいくつかカッティングを多用する曲を練習したおかげで、今では練習当初と比べてかなりそれらしくなりました。ビギナーは脱出したかな…?という感じです。

この一連の特訓で学ぶことがかなりあったので、カッティングビギナー脱出のために試行錯誤したこと、気づいたことをご紹介したいと思います。


カッティング練習で試した2つのこと

カッティングの練習をした過程で、私が試してみたことは大きくこの2つです。

  1. ピックを0.8mmのティアドロップにした
  2. 右手を手首中心の動きに変えた

結果的に練習過程では全部やってみてよかったと思うのですが、それぞれの気づきや、最終的にどんな形が良いのかなどの発見もあったので、そちらも合わせてご紹介していきたいと思います。

ピックを0.8mmのティアドロップにした

試行錯誤の結果、カッティングができるようになってしまえばなんでもいい、という結論に到達したのですが、カッティングに慣れるまでは薄いピックにした方が練習しやすいと思いました。

そもそもピックを変えてみようと思ったのは、右手が間に合わなくなる原因がピックが引っかかってしまうことだったためです。改善ポイントは以下の2点です。

  1. 薄いピックにして抵抗を下げる
  2. 面積を大きくして握りやすくする

もともと使っていたのはJAZZタイプの1mm(左上)でしたが、ティアドロップの0.8mm(右下)に変更しました。ティアドロップの1mm(右上)や、先が丸い0.8mm(左下)も試しましたが、結果右下のもで長らく練習していました。

picks

さらにもう一歩踏み込んで、ピックが引っかかる問題の原因を考えた時に練習時の音量というものがありました。「ピックが引っかかる問題の解消法」という記事で解説していますので合わせてお読みください。

右手を手首中心の動きに変えた

ピックを変えるだけでも多少の変化はありましたが、それだけではBPM120で16分音符の早さに到達するには不十分でした。

そして、練習を繰り返していくうちに、カッティングは右手の使い方が一番大事という結論に到達しました。

カッティングにおける右手で意識することはこの1点です!

  1. 腕ではなく手首を振る
    (専門用語でいうと回内・回外という動きになります。後ほどご紹介します)

私はもともとカッティングのような早いストロークをあまりしていなかったので、右手は前腕(肘から先)を動かすようなフォームでした。

ですが、BPM120についていくどころか、腕が疲れて最後まで弾ききれるかも怪しいぐらい。

そこで、右手の振り方を前腕は大きく動かさずに手首の回転を使って動かす方法に変えました。

理屈で言ってしまえばすごく簡単なのですが、早い動きをするためには作用点から近い部分を動かす方が良いんです。

わかりやすく言うと、手を叩いてリズムを取ってみて欲しいのですが、BPM60で4分音符を叩くときと16分音符を叩くときで身体の使い方が変わると思います。

前者は肘から指先にかけて(前腕)を動かしてると思いますが、後者だと前腕の動きが小さくなり、手首から指先にかけてしか動いていないようになると思います。

これと同じように、ギターを弾くときにも手首中心の動きにした方が効率が良くなります。

具体的に、どうやると手首中心の動きがしやすくなるのかをご紹介します。

回内・回外という動きを知る

回内・回外とは下のイラストのような動きです。目の前にあるドアの鍵をかけたり、開けたりするような動きをしてみてください。それが回内・回外の動きです。

kainai_kaigai

この動きをよく見ると、実は肘の関節を中心に前腕が回転しているので、手首を動かしているわけではないんです。

カッティングの説明をするときに、「腕ではなく手首で!」という感じに言われることが多いのですが、手首を招き猫のように曲げて回内・回外の動きをすると手首が動いているように見えるので、そう言われるのだと思います。

右手の角度

回内・回外の動きが実は肘中心だったということがわかったところで、どうやってカッティングに応用するかというと、先ほどの招き猫の手首がポイントです。ちょっと大げさですが、写真のような感じ。

cutting-form

手首に角度をつけることで、ギターを構えて回内・回外をしてみると、ちゃんと弦に当たりそうな感じで手が動くと思います。

この動き、カッティングを解説している本では「水を切る動作」や「体温計を振る動作」として形容されていると思うので、そういったイメージでやってみるとわかりやすいかもしれません。

ちなみに、手首に角度をつけて楽器を構えた時に自分だけ変えようとすると不自然になることがあります。私の場合は手首が自然に角度がつくようにストラップの長さを調節したり、ギターに肘をつける位置も微妙に変えたりしました。

上達のポイントは右手

実際に2つ試してみて、大きな改善が見られたのは右手の動きを理解してからでした。

テンポに間に合うように、そして疲れずに1曲弾ききるためには、右手の動作に慣れることが最重要だと思います。

まずはゆっくりのテンポで「回内・回外」の動きを確認しながら徐々に慣らしていってみてください!