もう5年以上も前のことになりますが、アート系の友人から展示企画を考えているのでそれにギターで音楽をつけて欲しいという誘いを受けました。
もともとは既存の曲をギターアレンジする話だったのですが、企画を進めていくうちにオリジナルの曲を作ろうということになりました。
私の音楽遍歴でいうとバンド活動をする手前くらいの時期です。思えばこの誘いがギターのブランクを断ち切るきっかけになった気がするので、友人には感謝です。
それまでは作曲経験がなかったので、まさか初めて挑戦する作曲が人様に聴かせるものになるとは思いませんでした。
今回は作曲を通して学んだことについてお話したいと思います。
まずは一曲を完成させてみる
オリジナルを作曲しよう、となったところでギターは弾けるけれど、何から始めたらいいのかよくわからない状態でした。
メロディから作る?コードから作る?楽器の構成は?という感じで。特に私は準備段階でいろいろ考えてしまう性格なので、作曲なんてできるだろうか…と身構えてしまいました。
それでもせっかくの機会なのでとにかく作ってみようと、まずはこんな雰囲気のを作りたいなーという曲を集めて聴き込んでから実際の曲作りをスタートしました。
なんとか完成させることができた一曲目は今聴くと非常に拙くて恥ずかしいのですが、まずは一曲完成させてみるとクオリティはともかくとして、はじめに感じていたよりも曲を作ること自体は特別なことではないということに気づきました。
企画は何回か続いたので私も何曲か作りましたが、2回目以降の方が初めての時よりもグッとハードルが下がって作りやすかったように感じます。まずはひとつ、完成させてみることが作曲においては大事だと思いました。
音楽遍歴が反映される
バンドの顔合わせの時に自己紹介も兼ねて、それまでに作った曲をメンバーに聴いてもらいました。ひとつは歌もの、もうひとつはソロギターのインストとまったく方向性が異なるものでした。
仲良くなった後で当時の正直な感想を聞いたら、歌ものはうわあ…と思ったけど、ソロギターの方を聴いたらやるじゃんと思ったそうです(笑)
当時バンド経験がない私は、歌ものの曲をあまり演奏した経験がありませんでした。歌ものを作るためにお手本を聴いて見様見真似で作ったので、構成に違和感があり慣れていないのが伝わる出来でした。
逆にソロギターの方は私がこれまでたくさん演奏してきたものを消化した上で、実際に弾きながら作っていった曲でした。
好きな和音や、かっこいいと思ったエッセンスをたくさん取り入れた曲だったのでロック畑で育ったメンバーにとっては新鮮であり、「これ一人で弾いてるの!?」とい思ったみたいです。
後から自分で聴き直してみても、言いたいことはすごくよくわかるという感じで、ソロギターの方は当時よりも上手くなった状態で弾きたいなあと思っています。
作曲はこれまでの自分の音楽遍歴、得意なところ、弱いところひっくるめて如実に反映されるというのを痛いほど感じました。
演奏経験を積んで
バンド活動を始めてからは、練習の方に時間を取りたくて曲を作るのはお休みしています。
その間にバンド活動をし、ジャズギターや音楽理論を習い、作曲した当時よりも知っていることがたくさん増えました。
たまに頭にふと曲のイメージが浮かんで、これをちゃんと作ったらおもしろそう!と思うことや、前に作った曲をちょっと変えられないかと思うこともあるのですが、今は練習したい欲の方が強くてアウトプットはしていません。
ですが、作曲は音楽遍歴が反映されるということを考えると、初めて作曲した時からいろいろ身につけた自分が新たに作曲したらどうなるんだろうという期待もあります。
焦って作るものでもないので、時間を見つけて気が向いたらまた作ってみたいと思います。