アドリブ

アドリブ初心者が「とっさにフレーズが出ない…」から抜け出す練習

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セッションに参加して、私みたいなアドリブ初心者がだいたい悔しい思いをする原因になるのは、とっさにフレーズが出てこないことです。

むしろこれに尽きますよね。。何度肩を落として帰路についたことか。

この状態から抜けるためにいろいろな練習方法を試してきました。このブログを書き始めた頃からずっと同じ悩みを持っていましたが、ようやく光明が差してきました。

いろいろ試した中で上手くハマりそうだなと思った練習法をご紹介するので、アドリブ修行中の方、セッションでスラスラ弾けるようになりたい方のご参考になれば嬉しいです!


時間がかかることは覚悟する

アドリブの練習は、一朝一夕というわけにはいきません。

セッションがあるから…といくら直前にフレーズを頭に詰め込んだところで、土壇場では絶対に出てきません。

なので、すぐにできるようになろう!という考え方は捨てて、焦らず自分のちょっとした進歩を見逃さないこと。そして、それを積み重ねて、体に馴染ませていくしかないんだなあ…と最近よく思っています。

大流行中の「鬼滅の刃」を最近になって読んだのですが、本編と関係ないページに書いてあることにハッと気づかされたことがあったのでご紹介します。

「できる」「使いこなす」「極める」の違いについて。

初心者なので、一旦「極める」は置いておいて、「できる」ことと「使いこなす」ことには大きな差があります。このように書かれていました。

繰り返し練習して決まった動作が “できる” ようになったら、それをどんな体勢や状況でも適材適所で出せるようになるのが “使いこなす” ことです。

「鬼滅の刃 22巻」より

アドリブでいうと、「できる」ことはそのフレーズを練習して弾けるようになることですが、「使いこなす」ところまでいかないと、セッションでは出てこない。

楽器だけではなくて、いろいろなことに言える真理だと思いますが、これを見たとき妙に納得しました。作者の人すごい…

ということで、ここから「使いこなす」に到達するためのアプローチについて、考察していきます。

アドリブソロ練習のアプローチ

アドリブソロの練習として、よく「引き出しを増やそう」みたいな話が出ると思います。それだけ話題になるのですから、フレーズをインプットするということはとても重要です。

…が、インプットしているフレーズ、必殺技みたいなのが多くありませんか?

ちょっと前の私がまさにそれです…

必殺技フレーズは目を引くのでかっこいいのですが、そもそも難易度が高かったり、セッション中に何回も出せなくてネタが尽きてくる…といったことも多いです。

それに、練習の時よりも頭の中ではいろいろな思考が駆けめぐっているので、出せる余裕がない…本当に使いこなせていないと土壇場で出てこないのです。

そこで、ビギナーがまずはじめに目指すところはかっこいい必殺技を覚えるのではなく、何も考えてなくても場をつなげる下地を作ることだと思いました。

その後に、ここぞ!という時に必殺フレーズを入れる。お弁当で言うところの、場をつなげる「なんでもないフレーズ」が白ごはん、必殺フレーズが梅干しくらいの分量です。

まずは分量が多い「なんでもないフレーズ」から使いこなせるようになろう、というのが今回ご紹介する練習法です。


考えないでアドリブを弾く練習の手順

セッションで何も考えずに弾ける「なんでもないフレーズ」を使いこなすための練習の手順としてはこのような感じになりました。

  1. スタンダード曲でひたすらペンタを弾く
  2. 覚えたいフレーズを2〜5個くらいインプット
  3. 1の練習に2で覚えたものを入れる
  4. しばらく2を放置して1をやっていると使ってるものが固定されてくることに気付く
  5. 2でお気に入りだったけど1で使ってないものをもう一度意識的に入れる練習をする
  6. 定着してきたら新たなフレーズをインプット

いろいろ書きましたが、目的はただ一つ、ペンタトニックスケールの「なんでもないフレーズ」を「使いこなす」こと。

ペンタは基礎練みたいに上昇下降しながらなぞるのではなく、セッションを想定して歌うように弾くことを繰り返します。

2の工程にある「フレーズ」というのも、なんでもない時に使えるペンタのフレーズということです。

これをインプットしたい時は私の師匠であるソエジマさんのYoutubeが「なんでもないフレーズ」の宝庫なので、参考にしています。

私はペンタを使おうと思って練習を始めたのが最近だったため、まだ使いこなせるくらいに磨き上げられていないまま、必殺フレーズを練習していました。

セッションでペンタを弾くのすらポジションや出す音のことを考えてしまう…という状態だったので、そこから抜けるために、とにかく体に馴染ませる練習をしました。いわゆる「手癖化」です。

毎日使っている母国語のようにしゃべれるのと同じようなイメージです。なので、練習内容も子どもが覚えた言葉を使ってしゃべりまくる感じ

たったこれだけなのですが、少しずつ「出てくる」感覚を掴めてきています。

ギターの下地はペンタから…本当になんで今まで通ってこなかったんだろう…と思います。

以前、ペンタについての記事を書いていますが、最後に「私がペンタに感動するのはこれからかも…」という記述をしていました。まさに今がペンタに感動している瞬間です。

練習のお供アプリ「irealPro」

スタンダード曲でひたすらペンタを弾く、という練習は曲を変えると使っていたものが出てこなくなったり、逆に自分から全く違ったフレーズが紡ぎ出されることもあります。

リズムやキーが変わるために起こるのですが、セッションではこの2つが変わって、自分が聞いたことがあるのと違う曲のようにになっていることもよくあるので、対応できるようにするためにもいい練習になります。

そのためにあらゆる曲のバッキングトラックがあるととても便利です。

私はirealProというアプリを使ってこの練習をしています。web上のライブラリから曲をインポートすることができるのですが、スタンダード曲ならだいたいあります。

また、テンポを自由に変更したり、特定の区間だけ繰り返し再生をしたり、キー変更もできるので、まさに練習のためのアプリという感じです。

有料のアプリではありますが、これを使っていつも練習をするのならコスパが良いと思います。


定点観測にセッションを使う

ここまでご紹介してきた「なんでもないフレーズ」、土壇場でちゃんと出せていることに意味があります

家での練習だと、良くも悪くも「いつも通り」であること、練習のためにそこに向けて意識が全集中であること…から、出すことができて当たり前になっています。

なので、この「使いこなせる」ようになったのかどうかを、セッションという予測不能な土壇場という状況で定点観測していくことがおすすめです。

定期的に通って前回から自分が進歩していたら、とても嬉しいことです。私もまだまだ修行中の身ですが、少しずつ、できることを増やしていきましょう!