練習アイディア

ピックが引っかかる問題の解消法

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普段の練習ではピックの引っかかりが気にならないのに、ライブ本番でなぜか引っかかりやすくなる。そんな経験をされたことはありますか?

私もカッティングの曲を人前で演奏することもありましたが、家での練習でうまくいっていても、本番では引っかかって途中ピックを持ち直したり、リズムが崩れたり…なかなか思うようにいかないなあと感じました。

当時、最初から最後までひたすらカッティングという曲を練習しており、安定して最後まで弾き切るにはピックが引っかかりづらくする対策が必要だと感じました。

今回はピックが引っかかる原因と、回避するための方法を考えていきたいと思います。

私がカッティングの練習をしている過程でピックを薄いものにするという方法を取ったこともありますが、今回は別の方法をご紹介します。ご興味のある方は、「カッティングビギナー脱出のポイント」という記事をご参照ください。


ピックが引っかかる原因

とてもシンプルなのですが、ピックを当てる深さが引っかかる原因だと考えています。

練習の時と比べて本番では余計に力が入ったりするもので、練習の時からピックが引っかかるように感じていると、本番はそれ以上に引っかかりを感じます。

そのため、ピックの深さのちょうどいいポイントを探して、普段の練習の時から慣れていく必要があります。

それでは、次からどうやって慣れていくのかについてご紹介していきます。

日々の練習の音量に着目

私はピックが引っかかる対策として、自宅練習でアンプを使うことをおすすめします。

なぜかというと、練習時のモニター音量がピッキングの深さ(強さ)に大きく関係してくるからです。

私はカッティングの練習を始めた当初、小さなヘッドホンアンプで練習していました。ヘッドホンアンプは近隣への騒音対策には良いけれど、出力が小さいものは音量を上げても限界があって音割れしてしまうんですよね。

そうすると、生音よりはマシなのですが、音量が出ないために普段から無意識にピッキングが強めになり、ピックが引っかかりやすい状態になっていました。

一方、スタジオの大きなアンプで練習した時に、ピックを浅めに当ててもしっかり音量が出てとても調子が良かった、という体験をしました。

その後また家で練習してみるとうまくいかなくなるので、その差分を考えた結果、ようやく練習時のモニター音量でピッキングの深さが変わっていることに気づきました。

集合住宅に住んでいることもあって、出力高めのアンプも持っていましたが、ヘッドホンアンプに切り替えた後はあまり使用せず埃をかぶっていました。

ですが、それに気づいてからは出力高めのアンプに戻し、ピッキングが強くなりすぎない音量で練習するようにしています。その結果、カッティングだけではなく通常のピッキングも軽くなり、引っかかることも少なくなりました。

普段から本番と近しい体の使い方ができる環境で練習する方が上達に近づくことがわかりました。

ちなみに、私が使っているアンプはYAMAHA THR10です。最近は新しいモデルも出て、ワイヤレス化しました。

このアンプにはヘッドホン端子もついているのでヘッドホンを繋げて練習することもありますが、当初使用していたヘッドホンアンプよりも出力が高いためか、空中に放つのとあまり遜色のない音量・音色が出せます。

そのため、ピッキングの深さも変わらず練習できました。


ピックと弦の関係

ここまでの流れでピッキングの深さの話をしましたが、浅すぎても弱々しく、深すぎると引っかかったりしっかり弦に振動が伝わらず結果音がペラペラ、という絶妙なバランスです。

なのでピッキングに関しては、浅いからいい、深いからよくないというよりも、耳で自分がちょうどいいと思うポイントを探していくのが良いと思います。

Julian Lageというギタリストはピッキングで作り出すダイナミクスがの幅がおそろしく広いプレーヤーです。小さな音量の時にもしっかり芯のある音がして、ライブで音を聴いた時の衝撃は忘れません。

彼のワークショップ動画で「ギターvs自分ではなくて、ギターと右手がお互いに頼り合うんだよー」という考え方を説明しているものがありました。なんかこの考え方がしっくりきて好きです。

こちらの38:35あたりからご覧ください。

おそらくJulian Lageは身体の使い方をかなり深いレベル勉強(アレクサンダーテクニークというものです)していて、それを感じるような発言も随所に出てきます。

このあたりは身体の動きの仕組みを知るとより理解が深まります。「ライブ本番の緊張対策」という記事で少し触れているので、よろしければそちらも合わせてお読みください。

ギターと右手が頼り合っている状態を探す

私が中学時代にマンドリンの伴奏をしていた時、ギターのダウンストロークのやり方が見えた!と思ったのも、爪を弦に当てる深さと音のバランスに気づいた時でした。

大きい音を出そうとしてゴリゴリに爪を当てても弦がうまく振動しないし、指が引っかかってうまくいきません。これがギターvs自分の状態。

ちょうどいい深さで当てると弦もうまく振動して音が前に飛ぶようになりました。これがギターと自分が頼り合っている状態でしょうか。

カッティングの練習をしていた時もほとんど同じでピックを弦に当てる深さが突破口になりました。

エレキギターの場合はアンプで音出しするので、この弦にピックを当てる深さと、アンプでの音量とが一体になってはじめてバランスが見える気がします。

そのちょうど良いバランスを耳と身体とで体感して覚えておき、いつもできるようにする、ということがピックの引っかかりをなくす近道になりそうです。

ピックの引っかかりが気になる方は、ぜひ練習時のモニター音量をチェックしてみてください。