ギターを演奏したり、レッスンしたりしていると、いろいろな音楽経験の人と出会います。
ひと口に音楽をやると言っても、どのような道のりを辿ってきたかは、人それぞれ。
そうなると、人によって「当たり前」が少しずつ違ってきます。
ギターでは、楽譜ひとつ取ってもそう。
ギタリストが使う楽譜といえば、五線譜かTAB譜かということになるのですが…
あなたは、どちらを好んで見ますか?
育ってきた環境が違うから〜
おそらくですが、ギタリストの中では、TAB譜のほうがメジャーなんじゃないかと。
Youtubeの演奏動画をみても、TAB譜つきのものをよく見かけます。
音楽歴がギターから始まっている人が多いからなんだろうな〜と。
TAB譜のいいところは、やっぱりオタマジャクシ→指板への脳内変換がいらないところ。
そりゃー、「ギターやるぞ!」って始めて、曲を弾くには、こっちの方が効率がいいに決まってます。考えた人、天才だと思いますもん。
…そんなことを言っておきながらアレなんですが、私が好んで見るのは五線譜。
これは、音楽歴がピアノから始まったのと、ギターを始めてからも五線譜中心の環境だったことが大きいです。もはや五線譜ネイティブ。
市販の譜面は、五線譜とTAB譜が2段で書かれていることが多いですが、私の視界の中心は五線譜ゾーンです。TAB譜は参考にするぐらい。
私がTAB譜の実物を見たのは、もうギター歴5年以上になったぐらいの時なので、当然の結果なのかもしれません。
五線譜をすすめるのは “そっち側” だからかも
私の生徒さんのほとんどは、TAB譜を中心に見ています。五線譜がスラスラ読めるという人は、ほとんどいません。
TAB譜は、すぐにギターでどこを押さえるかがわかる反面、言ってしまえば数字の羅列なので、生徒さんの様子を見ていると、覚えるのが難しそう…と感じていました。
五線譜の方がビジュアル的にも、音が上昇するのか下降するのか、といったような情報が取れるし、曲の流れをイメージしやすいんじゃないか。
私はそう思って、生徒さんには「五線譜から得られる情報は多いと思うので、たまには眺めてみてくださいねー」と伝えていました。
でも、ちょっと待てよ?と。
私が五線譜に対してそう思っているのであれば、TAB譜ネイティブも、TAB譜からあらゆる情報を受け取っているのかもしれない。
自分は、”こっち側” だから、五線譜いいよって言ってるだけなんじゃないかと。
TAB譜ネイティブにはどう見えている?
こうなってくると、五線譜ネイティブとTAB譜ネイティブとで、見えている世界が、まったく違う気がしてきます…
TAB譜はオタマジャクシ→指板への脳内変換がいらないところがいい、と言いましたが…
私は、五線譜を見ても脳内変換していません。オタマジャクシ→指板の直通回路ができている…と言ったらいいんでしょうか。
オタマジャクシの並び方(絵面)でコードもある程度わかります。
五線譜を見てたくさんギターを弾いてきた積み重ね、脳への刷り込みで、気づいたらそう仕上がっていた…という感じで。
だとすると…
TAB譜ネイティブは、数字の羅列でコードが見えてるってコト?
私は、TAB譜ではコードを一瞬で処理できないので…そうなると、私の「当たり前」が一気に覆ります。
教える側としてはもちろん、誰かと演奏する時にも、両方の視点があるという意識を持ってコミュニケーションした方がいいな…と思ったのでした。
(自分はTAB譜ネイティブだなって方は、実際どうなのか、こっそり教えてください…)