和太鼓にチャレンジしてきました。
なんで急に和太鼓なのかというと・・・2つくらい理由があって。
まずは、舞台で和太鼓が出てくるシーンを見て。
ちょうど座席が太鼓の近くで、響きが身体に伝わってきて、テンションが上がりました。そして、単純にパフォーマンスとして、叩いている姿がカッコよかったんです。
で、直感的に「やってみたい!」と思ったんです。
もう一つは・・・半分くらい言い訳ですが、勉強のために。
和太鼓をやれば、そこで得た経験を、ギターにも活かすことができるかもしれない!と思ったんです。
何に活かしたかったのかは、後でお話しするとして・・・
実際にやってみて、狙い通りというか、良いことばかりでした。今回、和太鼓にチャレンジして、発見したことについて書いていこうと思います。
太鼓チャレンジで得たかったこと
はじめに書いた通り、やりたいと思ったのは、ほぼ直感だったんです。
ただ、一応ギター弾きなので、経験したことは、自分の分野に還元したいなあと思って、主に3つのことについて、発見が得られたらいいなと思っていました。
それは・・・
- リズム
- 体感覚
- 初心者の視点
太鼓だと、メロディーや和音といった要素が削ぎ落とされます。ギターだと、これらは意識の中には入れておきたい要素。
なので、メロディーや和音を意識しない代わりに、リズムや体感覚に集中できるんじゃないかと思いました。
これによって、ギターを弾いている時には気付けなかったような、小さなことも見えてこないかな、ということを期待したんです。
3つ目の「初心者の視点」というのは、長年ギターばかり演奏していたので、初心者の気持ちというものを忘れてる気がしていて。
まっさらな初心者の状態で楽器を始めると何が起こるのか、体験したい。それは、自分の講師としての活動にもプラスになる気づきが得られるかもしれない。
・・・そんな経緯から、チャレンジしてみることにしました。
西洋は数学、東洋は・・・?
太鼓をリズムという視点でみた時に、おもしろいと感じたのは、
「いよーっ」という掛け声から、「ドン」と叩くまでの、間。
この「間」の取り方、日本っぽいなと思ったんです。
こういうのって、文化に根付いている気がして。「いよーっ」って掛け声、よく考えると独特ですよね。
日本人だと、この掛け声で三本締めを思い出すかもしれませんが、このように「どこかでやったことがある」感じで染み付いていると思うんです。
逆に、他の文化圏の人だったら、この「いよーっ」はどう感じるんだろう?と思いました。
単純化できるものではないけど、
西洋の音楽は、リズムを4分、8分、16分・・・と割っていく考え方や、音の高さを周波数が2倍だとオクターブ・・・のように、「数学」的にとらえる要素が多いです。
もちろん、実際に和太鼓で叩いたリズムは、譜面であらわすことができますし、西洋音楽と共通しているところだって、たくさんあります。
それでも、印象的だったのが、和太鼓には「数学」とはちょっと違う、 “Don’t think, Feel” 的な雰囲気と言ったらいいのか・・・「数学ではない何か」を感じました。
以前の記事で「マインドフルネス」「瞑想」について触れたときも、同じことを言っているので、やっぱり日本や東洋的なものに、数学とは違う雰囲気があるのかもしれませんね。
左右対称の動き
体感覚という観点でギターと太鼓を比べてみると、
ギターは、左右の手が違う動きをしていますが、太鼓は、ほぼ左右対称の動きです。
ギターを演奏しているぶんには全然気づきませんでしたが、左右対称なことで、左手のパワーがないのを実感しました。
右手と、左手で、叩いている感覚が全く違うんです。
ギターでも右手はストロークをするためか、パワーもあるので、太鼓の皮から跳ね返ってくる力を感じるのですが・・・
左手は、そもそも太鼓の皮に十分な力が行っていない。ので、叩いた手応えを感じられないんです。
ギターを演奏するとき、左手は細かい動きが多くなります。なので、指先や、肘付近の関節は使い慣れています。
一方、太鼓を叩くときによく動かす、肩甲骨まわりは使い慣れていないので、パワーが足りなくなってしまうんです。
これは衝撃的でした・・・
使い慣れていないところを動かすのは、単純に身体を動かしやすくできそうなので、ちょっと期待ですね。
そして・・・もちろん筋肉痛にもなりました。
初心者の視点
ギター初心者の方にレッスンをしていると出会う、「うまくいかないあるある」の一つに、
「指先に集中しすぎて、かえって動きが制限されてコードチェンジがうまくいかない」
というのがあります。
見つけたら、意識を集中しすぎないように促します。
ですが・・・私も太鼓で似たようなことを、していました。
「とにかく皮にバチを当てる!」
というところに意識が集中して、動きが固くなってしまうのです。
共通しているのは、「作用する点に意識が集中していて、それ以外の動きに意識が向いていない」ということです。
そして、言われるまで、そのことに気づけなかったんです。
確かに、初心者だと、とにかくうまくやろうとするのに一生懸命になって、視野が狭くなりますね。
なるほど。。。これか!!!と。納得しました。
自分のテリトリーからはみ出す
今回、同じ楽器ではありますが、今までの自分のテリトリーからはみ出したことに挑戦してみました。
一つのことに集中するのも素敵なことですが、集中するぶん、視野が狭くなってしまうこともあります。
なので、あえて自分のテリトリーからはみ出すことで、新たな視点を得る。
寄り道って、時間だけかかって無駄になってしまうかもしれない・・・って思うと、ちょっと気が引けます。
でも、思わぬ発見が得られると思うと、寄り道も悪くないですね。