久しぶりにソロギターの曲を作りました。久しぶりというのは…10年ぶりとかそういうレベルです。
なぜ久しぶりに作ろうと思ったかというと、5月あたりから友人と続けている作曲チャレンジという遊びが9曲目になったのもあり、ふと今回はソロギターの曲を作ってみようかなと思ったからです。
過去に作った時は、音楽理論の勉強をしていないし、コードもトライアドしか知らない状態でした。なので、曲を作るといっても適当に弾いてみて良さそうなフレーズをつなげていくようなパズル感覚。
それに対して、今回は作曲チャレンジを通してできてきた自分のやり方、構成・メロディーからという作り方をしました。
作曲チャレンジのお題自体が「Hey Jude」を上から歌える曲を作る…というものだったこともあって、自分の知識をフル動員できるパターンを選びました。
手癖で作るパターンと構成・メロディーから作るパターン。
この2パターンの作り方を通して発見があったので、それぞれの作り方がどういう結果になったか、どちらのスタイルで作るといいのかについて考えてみました。
手癖で作る
この作り方は簡単にまとめるとこんな特徴があると感じました。
- 初めての人がとっつきやすい
- 自分のブームが良くも悪くも反映される
それぞれ説明していきます。
初めての人がとっつきやすい
私が初めてソロギター曲を作ったのもこのやり方です。今から考えると、手癖でよく作り切ったなあ…という感じもするのですが、当時はこの方法でしか作れなかったと思います。
なぜかというと自分の曲の作り方のスタイルができていないので、弾いて繋げて弾いて繋げて…を繰り返してフレーズを紡ぎ出すしかなかったからです。
ただし、今の私にこのやり方ができるかというと…ちょっと謎です。
実際に、最近やってみようと思い立ってギターを構えたことがあったのですが、切れ切れのフレーズしか出てこなくて上手く繋げられませんでした。
…その結果、あるフレーズは別の曲のイントロになり、あるフレーズはボツになりました。
自分のブームが良くも悪くも反映される
手癖なので当然と言えば当然なのですが、その時自分が好きなもの、よく弾くフレーズや奏法が反映されます。
実際に私が手癖で作ったのが、こちらの動画の「秘密基地」という4本立てになっている組曲です。
当時の私は押尾コータローさん的な奏法を練習していたので、ギターの弦を叩いて「チャッ」という音を出したりするような特殊奏法がたくさん取り入れられています。
このパターンの良いところはその時の自分らしい曲ができることです。逆に良くないところは、同時期にたくさん作ると似てきてしまうことだと思います。
ある意味、初めて作るのであれば、過去作品がないぶん似たようなものができてしまうという心配がないので自信を持って作り切れる方法なのかもしれません。
メロから作る
一方、構成・メロディーから作るパターンは、こんな特徴があると感じました。
- 良くも悪くも「きれい」に仕上がる
- アレンジをうまくやらないとつまらなくなる
これも説明していきます。
良くも悪くも「きれい」に仕上がる
こレは、ソロギターとは言わず、どんな曲を作っても当てはまるかもしれません。
はじめに構成やコード進行、メロディーを作っていくと、起承転結のようなものが決まるので、全体としてまとまった作りの曲ができます。
私は作曲チャレンジで、ソロギター曲に限らずこの方法で作ってきているのですが、仲間内では「完成度が高い」…と評価してもらえています。
これはおそらく全体としてまとまって聞こえるからなのではないかと思っています。これが「きれい」な仕上がりの良いところです。
逆に、良くないところは展開がきれいにまとまってしまうため、意図的に別のテクニックを使って「予想を裏切る」展開を作る必要が出てきます。
逆に手癖で作っていく方が、この「予想を裏切る」展開は生み出しやすかったりします。実際に自分の過去の曲(特に「雨空」という曲なのですが)を聴いていても、これは手癖じゃないと出てこなかったなーと思います。
アレンジをうまくやらないとつまらなくなる
構成から作っていくと、歌ものでいうところのAメロ、Bメロ、サビ…的な展開を繰り返すかたちになるのが良くあるパターンだと思います。
今回私が作ったケースは「Hey Jude」の既存曲の構成をそのままに作ったのでまさにそういうパターンになりました。
メロディーを組み立てている時は、これで繰り返しをして…という感じで淡々と進めていったのですが、いざソロギター用にアレンジしてみたら、奏法バリエーションを広げられずに同じものの繰り返しになってしまいました。
完成形は結局これでいいやという感じでそのままなのですが、もう少しアレンジをうまくやりたかったなあと思ったポイントでもありました。
結局、どっちから作るのがいいの?
実際に2パターンの作り方をしてみて、良い曲ができそうなのはどちらも使ったハイブリッド技だなあと思いました。
まず、構成・メロディーから作ると全体的なまとまりができる。ここは一曲を通して考えると今のところ私のベストな作り方だと思っています。
そこに、意外性を生み出す可能性のある手癖フレーズを挟み込んでいく。
ある意味、右脳と左脳をバランスよく使って作るといったことになるのかもしれません。
構成・メロディーから作る方法では、ソロギターアレンジのテクニックも役に立ちました。これをもっと鍛えることで、「アレンジをうまくやらないとつまらなくなる」が解消できそうな気もします。
上手に作るにはやることいっぱいだなーと思いながら、音楽理論やアレンジなどいろいろ勉強してることが役に立っているのは嬉しいことです。
作曲は総合力を鍛えるのに本当に良い材料だと思うので、興味のある方は是非チャレンジしてみてください!